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蓮花洞
 
    蓮花洞は竜門石窟西山の中部に位置し、北魏石窟の代表作であり、天井に大きな蓮の花のレリーフがあることから、その名がついた。
    窟門は弓形を呈し、火炎模様を飾り、真ん中に瓢箪形の兽顔が彫られ、怪異な顔をしている。窟口の南側の下方に力士像がある。
    洞窟は天然の鍾乳洞を使用して増築したものであり、ドーム型を呈し、高さ6.10m、広さ6.20m、深さ9.80mである。天井の中央には蓮の花のレリーフがあり、直径3.60m、厚さ0.35mである。その中央の巣状花托の中に蓮の実があり、花の蘂に囲まれ、外に小花弁、大花弁が其々一週回り、縁のところに単葉の忍冬模様がある。蓮の花全体は美しく彫刻され、傑作といえる。蓮の花は「泥より出でて染まらない」ため、仏の神聖かつ純潔なものとして幅広く使用され、吉祥、純潔、神聖な象徴である。蓮の花の南北両側には、それぞれ俗に「飛天」といわれる「供養天人」の3体のレリーフがある。何れも主尊に直面し、頭に宝冠を被り、下半身にスカートを着、両足を包み、リボンを付け、手に香炉或は果物の皿を持ち、空を飛びまわり、人々に「花が空から散らばっていて、音楽が鳴り響いて世間の全ての音をカバーする」感じを与える。
    窟内には一立仏、左右に二弟子二菩薩、合わせて仏像5体ある。高さ5.10mの主尊釈迦牟尼は裸足で低い蓮台に立ち、大きい袈裟を身につけ、頭光に囲まれ、舟形の陰光が天井に至っている;二弟子はレリーフである。特に左側の弟子迦葉は鼻が高く、目が奥深く、左手を胸の前に放置し、錫杖を右手にし、まるでつぶさに辛酸を舐めたインドの年取った僧侶のようである。この彫刻は非常に優れたものであり、竜門石窟における一番綺麗な迦葉頭像である。しかし、残念なことに、その頭は20世紀30年代に盗掘され、海外に流失し、目下はフランスのギメ国立博物館に所蔵されている。
    蓮花洞の南北両壁には仏龕が沢山あり、殆どは北魏正光時代から北魏末に造営され、統一的な組立と企画がない。東魏、北斎、唐代になっても小さい仏龕が度々建てられた。この洞窟の中では、北魏晩期の小さい仏龕は殆どが一仏二弟子二菩薩二力士の七体式の組み合わせであり、まぐさが細かく彫刻され、変化に富む。仏龕のまぐさに左右対称の維摩文殊問疾図と比丘聴法図を彫るものもあるし、幕、房状の装飾、三角紋を彫刻するものもあり、または円壁紋、変形蓮花、流雲、比丘聴法、供養人図案、装飾七仏、蓮花童子などもあり、様々な装飾模様を形成している。特に南壁の最下層で、西側から三番の龕内に「王位相譲」の仏本行物語及び供養天が彫られ、左右が対称し、彫刻技法が細かい。左壁の仏本行物語は下記の通りである:悉達多太子(図面の中で蓮華の冠を被り、菩薩の衣服を着、やや胡坐をかいて高い円台座に座る人)は尼連禅河の側の苦行林(図中の「菩提樹」)の下に腰を下し、ご飯を食わずに思考する。天神(図に冠を被り、長衣を着、跪く人)はご飯を捧げたが、太子が受け入れなかった。天神の後ろに宝蓋、羽葆と鉞を持つ侍従三人が立ち、頭に二角の小さい冠を被り、上半身に狭い袖の短衣を着、足に長い靴を履く;右壁の本行物語:悉達多太子が出家し、北側の恒河を渡し、王舍城を通して樹の下で端座し、思考する。瓶砂王(図中に冠と玉飾りを付ける人)が太子に「舎国相奉(国を捧げて奉仕する)」の意志を表明したが、太子はそれに動揺されず、引き続き修行する。図中では王の後ろに籠状の冠を被り、傘、蓋、旗、剣を持つ侍従四人が立っている。彫刻全体は構図が精巧で、姿が真に迫り、逸品といえる。悉達多太子が仏になる様々な物語を彫刻し、宣伝することは、仏教の「教化を通じて人倫を助ける」という思想を充分に表している。同時にその教義も信者に受け入れられやすくなる。
    蓮花洞口の南側に初唐貞観年間に彫刻された仏龕があり、隣には三つの供養人が立っている。何れも現代朝鮮族の婦女が着る高腰スカートであり、古代少数民族の服飾面の貴重な資料といえよう。
    蓮花洞には石刻の仏教経典が保存される。窟口の北側の上には唐代如意元年(西暦692年)に刻まれ、仏陀波利により訳された「仏頂尊勝陀羅尼経」がある。この経典は目下国内最も早い「仏頂尊勝陀羅尼経」の石刻のバージョンの一つであり、非常に高い研究価値がある。惜しいことに、碑の上に明代河南巡撫―趙岩により書かれた『伊阙』という2つの字が残された。
    蓮花洞の主像は大体北魏延昌年間(512-515年)に完成され、古陽洞に続く造営時間が長く、内容豊富、彫刻精美の魏代石窟である。その正壁の主尊、左弟子迦葉及び手にしている錫杖、天井の蓮華、数多い仏龕など何れも逸品といえる。この洞窟は仏教の装飾模様、北魏の彫刻技術、仏経、仏教信仰などを研究することに重要な意義と価値を持っている。
 
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